現在11歳の息子、ポポは、混合型(不注意型+多動型)のADHD。そして、いわゆる、グレーゾーン。
「グレーゾーン」という言葉は、実態と異なる誤解を生んでいるのでは、と思う。「グレーゾーン=症状が軽い=困りごとが少ない=本人や周りの苦労が少ない」と思われている気がするけれど、
そんなことはないんです。発達障害の「グレーゾーン」の人達が抱える多くの困難はこの誤解や表面に現れにくいことが一因だなと思う。
グレーゾーンの人の場合、偏りや困りごとが周りに迷惑をかける形で表れにくかったり、本人が必死の努力で表に出さないように頑張っていたりするので、周りに気づかれにくい。だから、周りの理解を得ることが難しいのです。
「グレーゾーン」という言葉は、医師も周りの人間も、その人の偏りを見抜くこと難しいため、診断名を付けるのが難しい、場合に使われるのだと思います。
そのため、専門機関で発達障害の確定診断をもらうことも、難しい。息子ポポも、「グレーゾーン」故の難しさにいつも直面します。
ポポは、学校での成績は今のところ問題なく、そわそわしているけれど学校で激しく暴れたり歩き回ったりするタイプでもなく、強いて言えばおとなしいと思われるタイプらしい(学校では)。
本当にそうなのかはなぞです。。。
なので学校の先生や周りの人にポポのADHDについて話しても、「子供なんて大なり小なりみんなそうですよ。」と言われ、「心配しすぎじゃない?無理やり子供に病名をつけて言い訳してる。」と思われているように感じてしまう。
それくらい、一般的に思われているADHDのイメージと、ポポの外での印象は少し違うようです。
そんなポポが、ある日学校から帰ってきて私にこんな話をしました。
補足ですが、ポポは日本では、現在小学5年生。アメリカでは、今年8月から6年生=中学1年生になりました。ポポの小学校から今の中学校へ進学する子が少ないため、中学校には小さい頃からのポポを知る友達はあまりいません。
今日友達に、PE(体育)の時間に突然、”ポポってもしかしてADHDある?”って聞かれたんだ。
なんで?
PEの時間に、友達が僕をつついてきたから逃げようとして少し走っちゃったら、「歩くように言ったでしょ。」と先生に注意を受けたの。それで、はじっこに座らされたんだ。その時に、別の理由で先生に注意を受けて一緒に座らされた友達に、”ポポってADHD?”って突然聞かれたの。
えっ(驚)!すごいね。そうだよって言ったの?
うん。「ADHDだよ」って言ったら、その子が「僕もだよ」って。
なんでその子は突然聞いてきたの?
理由を聞いたら、「みんなは気づかないと思うけれど、自分がADHDだから、相手の目の動きとか、手足の動き(*フィジェッティングしている)とか、細かいところで分かる。」って言ってた。だから僕の細かいところを見てADHDだと気づいたみたい。僕の目の瞬きがチックだってことにも気がついていたよ。(ポポはここ数か月、顔にチックが出ています。)
*Fidgeting(フィジェッティング):手足を落ち着きなく動かすこと
とこんな会話。私から見たら息子は明らかにADHDだが、周りの人、特に大人には理解してもらえないことが多い。だから、息子の友達の洞察力とADHDについての会話にびっくりし、そしてすごく感動しました。
もちろん、理由はどうあれ、授業中に注意を受けて座らされているわけだから、それを考えれば、お互い行動に問題を抱えていると思うのは当然かもしれない。けれど、ポポの挙動からADHDを感じ取れるってすごいなと思いました。
それに気が付いたポポの友達に私と共通するものをすごく感じた。
「この子も発達センサーを持っているんだ。」と。
そして、ポポがこんな会話を日常会話のように友達と自然としていたことに少しうれしくなりました。反社会的なことや、自他に危害を加えるような偏りでなければ、ポポもポポの仲良くなる友達も変でもなんでも良いと思う。
ポポが人生の中で、気を許せる仲間や自分の居場所を色々な所で見つけられたらいいなと思う。
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